おうちのこと日々のこと

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読書記録「この世をば」~藤原道長が主人公の大作です

少し前ですが、久し振りに図書館で借りた本を読み終えました。現在大河ドラマで取り上げられている藤原道長平安時代を描いた「この世をば」
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永井路子歴史小説全集五が全て本編です。厚くて重いよ(;・∀・)
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単行本で本のサイズは大きいけど文字の大きさは文庫本とそんなに変わらず(;^_^A
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ラカンには老眼鏡必須💦

上下巻に分かれている文庫本は予約がたくさんはいっていて(大河効果?)早く読みたかったので予約が少なかった単行本(800頁(^^;)を借りることにしました。

案の定期限内に読み切れず一度延長してしまったけど、久し振りにずしりと重い単行本をゆっくり楽しんで「読書してる感」を満喫しました。ただ出掛ける時に持っていけなかったので読み進まないこともあったのですが・・・

 

大河ドラマで俄かに注目されている平安時代(私もその一人)だけれども、永井路子さんは1950年代から平安時代を舞台に作品を書いておられ「この世をば」は800Pの大作なのだけど現代語訳ではなく「現代の言葉」で表現されていて大変読みやすく(これ大事だと思う)舞台が1000年前ということを忘れてしまうほど。そして300年という長きにわたる平安という時代は決して優雅な王朝絵巻ではなく冷酷非情の権力社会でもあるということも(生まれた家柄ガチャの極み!)

 

大河ドラマ道長はデキル(けどそれを隠してる?)クレバーな人という感じがするけど本作品の道長はのんびり屋でなんとなく憎めない人柄で、姉の詮子やのちの妻の母穆子から目をかけられ引き立てられ、平凡だからこその平衡感覚と運の良さで決して”平安“ではない“平安時代”を生きていき

「道隆、道兼が相次いで亡くなるという事態が起こらなかったら決して転がり込むことのないはずの左大臣、文書内覧 がこの偶然の幸運を腋の下に冷や汗をかきながらなんとか無難にその任を務めようと心を砕いている」

特に出世欲もない三男の道長が父の死をきっかけに、したたかな兄二人と自分、取り巻く環境を俯瞰して苦心しながら平安期の最高権力者となっていきます。(もともとの家柄が良いのはいうまでもないけど)

偉そうな自慢の歌を詠んだ鼻もちならないというカンジはない(^^;

 

そして紫式部ですが作品では晩年妻の倫子をざわつかせた浮気相手(それも本当かどうかわからない)として後半にちょこっと登場します。

才女だけどひっこみ思案な女性といった感じです。

紫式部の父藤原為時漢籍に通じていた為、当時宗人が住み着いていた越前守として赴任し娘の彼女も同行するということは作品にも書かれていて、大河でもこれから描かれていくのですよね?楽しみです。